[アップデート]Amazon Connect Cases は、「ファイルのアップロード機能」と「コメントした投稿者名が表示」されるようになりました
はじめに
Amazon Connect Casesに、2つのアップデートがありました。
- Connect Casesにファイルを添付できるようになりました
- Connect Casesに書き込まれたコメントの投稿者名が表示されるようになりました
1点目は、ケースにファイルをアップロードとダウンロードできるようになりました。
文書、画像、ビデオなどのファイルをケースにアップロードし、いつでもケースからアクセス(ダウンロード)することが可能です。
このアップデートによって、例えば、顧客が書類を提供した場合、その書類をケースにアップロードすることで、顧客とのフォローアップの会話やケース担当者がすぐにアクセスできるようになります。
これによりエージェントの生産性と顧客満足度の向上につながります。
2点目は、ケースに書き込まれたコメントの投稿者名が表示されるようになりました。
コメントした人が誰かを確認することで、ケースの解決に誰が貢献したかを簡単に追跡できます。
どのエージェントが該当のケースに関与し、どのような情報を提供したのかを明確に把握できるため、エージェント間のコミュニケーションを向上させ、ケースの解決をスムーズに進めるのに役立ちます。
現在、サポートされているファイルの種類は、以下の通りです。
.csv、.doc、.docx、.heic、.jfif、.jpeg、.jpg、.mov、mp4、.pdf、.png、.ppt、.pptx、.rtf、.txt、.wav、.xls、 .xlsx
添付できる最大ファイルサイズは、20MBです。
ちなみに、Connect Casesは、現時点で東京リージョンは未サポートです。
事前設定
下記の記事通りConnect のケースを作成しておきます。
添付ファイル
AWSマネジメントコンソールのConnectインスタンスから[データストレージ]の [添付ファイル]で、[ 編集]を選択します
添付ファイルを有効化し、添付ファイルを保存するS3バケットを選択します。今回は、AWSマネジメントキーを利用し暗号化も行います。
ただし、オブジェクトロックが有効になっているS3バケットは選択できません。
続いて添付ファイルが保存されるS3バケットにCORS設定をします。
エージェントがファイルをアップロードおよびダウンロードできるようにするには、添付ファイルが保存されるS3バケットにクロスオリジンリソース共有(CORS)を設定して、S3バケットへのPUT(アップロード)とGET(ダウンロード)リクエストを許可します。
S3バケットに対して全てのパブリックアクセスを許可することでも実現できますが、PUTとGETリクエストを許可するほうがセキュアです。
今回は、Connectインスタンスからアップロードするので、下記の設定にしました。
インスタンス名
は、各自のインスタンス名をいれてください。
ConnectのURLをそのまま入れるとよいです。
[ { "AllowedHeaders": [ "*" ], "AllowedMethods": [ "PUT", "GET" ], "AllowedOrigins": [ "ConnectインスタンスのアクセスURL" ], "ExposeHeaders": [] } ]
ConnectのエージェントワークスペースからCaseを開きます。
[添付ファイル]からアップロードできるようになっております。
サポートされているファイルタイプと最大サイズの記載がありますね。ファイルをアップロードしてみます。
ファイルがアップロードできました。
アクションのダウンロードマークを選択すると、ファイルをダウンロードできます。
また、[アクティビティフィード]からいつアップロードされたか確認できます。
S3バケットのステージング
ファイルをアップロードすると、S3バケットには、以下の2つの場所にアップロードしたファイルが保存されました。
- s3://amazon-connect-ConnectID/connect/インスタンス名/Attachments/
Staging
/2023/09/12/0ff217ff-a3f8-402a-8095-361ef5973fc2_20230912T11:51_UTC.png- ステージング(一時的な)ロケーション
- s3://amazon-connect-ConnectID/connect/インスタンス名/Attachments/2023/09/12/0ff217ff-a3f8-402a-8095-361ef5973fc2_20230912T11:51_UTC.png
- ファイナル(最終)ロケーション
1つ目は、Staging
とあるように、ステージングロケーションです。
2つ目がファイナルロケーションです。
ステージングロケーションとは、ファイルをアップロード時、エージェントと共有する前に、ファイルのサイズとタイプを検証するために使用します。
ステージングロケーションで検証後、ファイナルロケーションに同じファイルが保存されます。
実際、ファイルをアップロードすると、ステージングロケーションに保存後、1分後にファイナルロケーションが保存されていました。
ドキュメントにも記載がありますが、同じファイルが2つのS3バケットに保存されている状態ですので、ステージングロケーションのフォルダ内のデータは、データの保持期間が1日になるようにライフサイクルルールの設定が推奨されています。
エラー
S3バケットにCORS設定をしていない場合、アップロードは以下のように失敗しました。
また、24MBのファイルをアップロードすると、20MB以上アップロードできないエラーが表示されました。
アップロードするファイル名は、「A-Z
,a-z
,0-9
,.
,_
,-
」のみの文字が利用できます。
他の記号を入れるとエラーとなります。ファイル名がimages(1).png
の場合、エラーとなりました
コメントしたユーザー名
2つ目のアップデートは、Caseのコメントしたユーザー名が記載されるという内容です。
下記のように、コメントしたユーザー名が名 姓 (ログイン名)
という並びで表示が確認できました。
ちなみに、コメントした内容は編集できませんでした。
最後に
今回は2つのアップデート内容を解説しました。
これらの機能は、エージェントの生産性を向上させ、顧客とのコミュニケーションをスムーズに行う上で非常に有用です。
特に、ケースへのファイルのアップロード機能は、エージェントが顧客問題の解決に必要なあらゆる情報を一元化し、すばやくアクセスできるようになります。
また、コメントの投稿者名が表示されるようになったことで、どのエージェントがケース解決にどのような情報を提供したかを一目で把握できるようになりました。
東京リージョンでは、まだ利用できませんが、Connect Caseを利用している方はぜひ利用してみてください。